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「デジタルライブラリー」が発信する荒尾オリジナルコンテンツ

本の場

2022/09/12

9月1日の「本の場」ウェビナーでは、荒尾市立図書館「デジタルライブラリー」に導入された3つのデジタル装置について、教育委員会生涯学習課の馬場理恵子さんに実機を見せていただきながら詳しいお話を伺いました。電子書籍との出会いの場をつくる「デジタル万華鏡」、オリジナル作品『学習まんが宮崎兄弟』を映す電子ペーパーサイネージ、多様なオリジナルコンテンツで郷土の魅力を伝える「CONBO(コンボ)」。
関係者で知恵を出し合って構築した“誰も見たことのないデジタルライブラリー”はまだ産声をあげたばかりですが、さまざまな市民の活動を巻き込みながら、未だ見ぬ未来へと第一歩はとりあえず踏み出せているように感じます。

以下の抜粋書き起こしでは、「CONBO」のコンテンツ成立過程の解説を、オリジナルの4コマ漫画を作られた地元漫画家・木村大介先生の飛び入りをまじえてご紹介します。

「デジタルライブラリー」が発信する荒尾オリジナルコンテンツ

馬場理恵子さん(荒尾市教育委員会)
最後「CONBO」ですね。これも「デジタル万華鏡」と同じで凸版さんの製品で、大型サイネージを1枚設置しています。「CONBO」の場合は同時に複数の詳細画面が表示可能で、左右だけでなく上下斜めにも動かせます。画像とか、動画やPDFも搭載しています。観光案内を目的として導入されていることが多くて、空港とかにたとえば海外の人が降り立ったときに動画を見てそこに出てきた観光地のQRコードを読み取ってホームページに飛ぶとか、そんな利用がされているみたいで、荒尾の場合も、図書館ではあるんですが市の文化財だったり観光地だったりを案内するというような目的で、設置することになりました。

で、開館まで半年を切った頃、そうですね、去年の今ぐらいですかね、「(コンテンツを)どうしよっかなぁ…」みたいな話になって。結果的にはまぁ、荒尾ならではのコンテンツを搭載できたかなぁ、というところです。
「文化・歴史・観光」では写真とか動画とかPDFが29件、「子ども向け」では画像が5件PDFが16件で計21件。それから「図書館メイキング」っていうのが、これがですねぇ、非常にすごくて、設計をしてくださった株式会社船場さんが、照明だったり書架だったりテーブルだったりといったモノが出来ていく過程をすべて動画に収めてくださって、それを全部編集してもらって、それが23件。有明高専とのコラボもしていたので、そういった動画も作ってくださって。それら全部を合わせて73件、積み上げたらとてもすごいことになりましたね、はい。

それでは実際にご覧いただきましょう、というところなんですが、でも動かないんですよ、それが、なんだか。つい先週不具合が起きてしまって。なんかやっぱりそういうことはあるんだなぁと思って…。

今井太郎(本棚演算株式会社)
いちおう以前に凸版さんに行って見学したことがあるんですよね、そのときの動画をいま共有できるかなと思っていて、「CONBO」っていう装置はこんなものです、っていうような動画をちょっとお見せします。

それから、入っているコンテンツについても少し共有させてもらおうと思います。まず、さっきの「図書館メイキング」をお見せしますね。
参考URL: https://www.youtube.com/watch?v=kPXgkzXrmvs&t=112s

それからもうひとつ、「子ども」の方に入っているPDFっていうのがこういう4コマ漫画です。
参考URL: https://www.youtube.com/watch?v=-r5y-8u9Heo

いま、「CONBO」全体がどんな装置かっていうのをざっと見ていただいたあとに、「図書館メイキング」フォルダに動画が23本入ってます、というののうちの全体のガイドになるような動画を1本見ていただきました。あと、「子ども向け」っていうとこに入っているPDFの中の12、3本がいま見ていただいたようなオリジナルの4コマ漫画になります。

「デジタルライブラリー」が発信する荒尾オリジナルコンテンツ

馬場さん
そうそう、4コマ漫画の説明をします。さっきの『石炭ができるまで』とか。
なんかこうさきほど「CONBO」の下の方にカテゴリが出てましたけど、今回「文化・歴史・観光」と「子ども」って決めたときに、最初は「文化・歴史・観光」の写真や動画をなんか平仮名で説明すれば「子ども」の方はそれでいいじゃん、と簡単に思ってたんです。けど、子どもってたぶん写真見ても動画見てもなんか興味を持たないんじゃないかな、と言うか、大人と同じものをただ平仮名で書いても面白くないよね、と思って、やっぱり漫画じゃないかなという話になりまして。

それで、木村大介先生という荒尾市在住の漫画家さんが実はいらっしゃって、今の荒尾市の教育長が小学校の先生だったときの教え子の方ですっていうのを聞いて、これは頼んでみよう、ということで。4コマ漫画だったらわかりやすく子どもたちに何か伝わるんじゃないかということで、単純に私が「石炭って何?」とか「何だろう、石じゃないの?」とか結構そういう、私が以前観光の部署にいたときに石炭の話をすると、石だって思ってる人も多くて、持ったら軽いとか、あれは植物の化石なんです、みたいな話をすると「へぇー!」とか、そういうちょっとわかってるようでわからないようなことが、大人の私でもそういうのがあったので、それを4コマ漫画にするとすごく子どもたちにも楽しくわかりやすく伝わるんじゃないかと思って。そんな感じで、こういうのがあったら良いなというネタをたくさん出したら木村先生がどんどん絵にしてくださって、4コマ漫画がいつのまにか増えてたっていう感じですかね。

川崎安子さん(武庫川女子大学)
じゃあそのストーリーは馬場さんなり教育委員会の方が、こういう感じでこれをっていうふうにお願いされたわけですか。

馬場さん
教育委員会っていうか私と今井さんとで…。

今井
馬場さん、いま木村先生ご本人が参加されてますので、ちょっと話してみていただいて良いですか。

木村大介さん(荒尾市在住漫画家)
あー、こんばんは。完全に視聴者側で聴いてたもので…。

今井
無茶振りですみません…。ああやって4コマ漫画を12、3本描いていただいたんですけど、どんな感じでした?

木村さん
さきほど馬場さんが話されたように、プロットっていうかお話は今井さんと馬場さんで考えてもらって、僕はまあそれをもとにネームを起こして絵を描くという、分担作業みたいな感じだったんで、ほんとに3人で作った漫画って感じで、3人のチームでできたなぁ、って思います。で、ネームを僕は担当してたんですけど、けっこうネームが通らなくて、と言うか、もうちょっとここをわかりやすくとか、ここをこうしたらもっと面白くなるんじゃないかとか…。でもなんかそれだけ熱意が、真剣なんだなぁっていうのが伝わって来たんで、やり直しをさせるっていうことは良いものを作りたいんだなっていうのが伝わったんで、こっちもなんか本気になれたっていう…。

馬場さん
先生の返しが早いんですよ。言ったらパッて変わっちゃうから、すごいって思って。この辺ちょっと暗いから虹とか掛けちゃってください、とか言ったら、ちょっと変えますねってポッと虹が出て、え?もう?って。ほんと早いんですよ。

今井
ネームが通らないっていうよりは、私とか馬場さんとかで考えたそもそもの脚本が漫画にしてみたらなんかおかしいなっていう感じで…。

木村さん
あー、なるほど。

馬場さん
でもなんか、何でしょう、この4コマはこっちとこっちで入れ替えた方が良いですよ、とかがやはりプロの漫画家さんならではの、オチを先にして、とか、順当に行くよりこっちの方がインパクトありますよ、みたいなのは、なるほどーと思って。あと、文字で書くよりこういう絵とこういう絵を組み合わせた方が…ってやっていただいてすごい迫力が出たりとか。

あとは逆に、どうしても公共の図書館で子どもたちに見せるので、文化的な内容だったら文化の部署に間違いがないかとか、こういう表現は誤解を招かないかとか、そういった役所内での確認の中で、これはちょっとこういう表現だと語弊があるからここはそうじゃない方が良いとか、そういうことでどうしても修正が入ったりして、先生には修正修正ってなってしまって。私らこれで良いかなぁと思っても、専門の部署に見せると、こういうふうに勘違いされるかもしれないからこういう表現はやめた方が良いとか、そういうのはありましたね。

「デジタルライブラリー」が発信する荒尾オリジナルコンテンツ

今井
確かさっき映ってたマジャク釣りの回で、座ってる足元の泥に段差があるはずだ、とかで直しが入ったことがありましたね。

馬場さん
そうですそうです。でもね、逆に、そこまで担当部署が見てくれてるんだ、と思って。ほんとに、先生には申し訳なかったんですけど、子どもたちに見せるものだけど非常にクォリティが高い、と言うか、子どもたちに見せるものだからこそ、なのか、絵で見て間違わないようにという配慮はすごくありましたね。

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