2月の「本の場」は図書館界から少し離れて、国から見た地域経済振興策の実際を学ぶことによって、図書館の「収入」を多様化し増やしていく可能性について考えてみたいと思います。
今からちょうど1年前、広島で、「プレミアムな読書をプレゼントに=プレ読」という地元書店を応援するキャンペーンが始まりました。企画者は経済産業省中国経済産業局の伊東直人さん。根っから本好きの国家公務員の方でした。
伊東さんがこれを立案されたのはもちろん書店や出版業界を支援したいという思いからなのですが、この企画は経産省中国経済産業局の地域経済振興政策とどのように整合していたのでしょう。また、建付けとしてどのように企画し、どうやって賛同企業を集めていかれたのでしょう。およそ1年が経って、今どんな成果や課題が確認できたのでしょう。
2月9日の【前編】では「プレ読」企画実現までの道のりを詳しく伺いました。意外だったのは、この施策が3年に渡る長丁場で計画されていて、「書店業界にオープンイノベーションを」という企画の芯と、世界を見渡せば書店は支援を控えるべき斜陽産業とは限らないというエビデンスとを示すことでスタートしていたことです。つまり、具体的に何をするか、施策の中身を企画すること自体が最初の令和2年度の課題で、この初年度に異業種を含めたさまざま地元企業が少しずつ集結してきて内容が具体化し、令和3年度に「プレ読」キャンペーンが実施された、というプロセスだったのです。
そんな感じで予算が獲得できるんですか?というのが正直びっくりだったのですが、「オープンイノベーション」という時流に乗ったテーマをきっちり押さえて説得力のある目論見を示すことで、実際に予算が獲得できているというわけです。
2月16日の【後編】では、「プレ読」最終年度に当たる4月以降の計画をお話いただいたあと、地域経済振興に書店や図書館が積極的に絡んでいく際に経産省の支援が活用できる可能性があるのかどうか、もちろん決して公式のものではありませんが、考え方の基本習得のためのケーススタディをやってみます。参加者のみなさんと一緒にオープンな議論を進めてまいります。
※お申込みいただいたみなさま全員に見逃し配信を行います。ウェビナー終了後一両日中にはアーカイブ動画配信を開始し、約1週間のあいだご視聴いただけます。
※毎月2~4回のウェビナーに参加できます。(2月は2回のみの開催です。)
Zoomミーティングを利用したオンラインイベントです。
お申込みいただいた方には、前日までに参加URLをメールにてお送りします。
チケットの購入期限は当日2月16日の18:00までとさせていただきます。
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